男子シングルでは高橋大輔、町田樹もメダルに手が届く位置にいる。高橋は11月に右ひざ下の脛骨を挫傷するケガの影響もあり全日本は5位に終わったが、前回大会で銅メダルを獲得した実績と今回で3回目となる五輪出場という経験は強味。加えてソチは昨年のGPファイナルで優勝した相性のいい舞台だ。本番までにケガの状態が良くなるという条件つきだが、メダルの可能性は残っている。町田は今季のGPシリーズで2勝、GPファイナルでも4位に入った。伸び盛りでもあり、表彰台の一角に食い込むチャンスはある。

金メダルに最も近い日本選手
若き女性ジャンパー高梨沙羅

 今回の日本選手で最も金メダル獲得の確率が高いのはノルディックスキー・ジャンプ女子ノーマルヒル個人に出場する高梨沙羅(17)だろう。ジャンプ選手は世界各国でおこなわれるFISワールドカップを転戦するが、高梨は昨季13戦に出場して優勝8回、準優勝4回、3位1回という驚異的な成績を収めた。すべての大会で表彰台に上ったわけだ。

 飛距離を出す技術は世界一。唯一の課題は着地のテレマーク姿勢が完全に取れなかったことだが(飛び過ぎると着地の傾斜が緩くなり、テレマークがより難しくなるということもある)、それも改善された今季は開幕から4連勝。5戦目は3位に終わったが、相変わらず強さを発揮している。

 加えて昨季の世界選手権で高梨を破ったライバル、サラ・ヘンドリクソン(アメリカ・19)は8月に練習中転倒し右ひざの前十字靭帯を断裂するなどの大ケガをした。五輪に向けて練習を再開したともいわれるが、ぶっつけ本番では好成績が収められないだろう。また、ヘンドリクソンが完調であったとしても、今の高梨にはかなわないはず。それほど高梨は圧倒的な強さを持っているのだ。

 ただし、ジャンプは風向きなどの気象条件に成績が左右されることが少なくない。また、ソチのジャンプ台がスピードが出にくい形状なのも小柄な高梨にとっては不利(ロシアで行われた5戦目の3位はその影響もあった)。最高の結果を得るにはそうした課題を克服することも必要になる。