新年を迎えると同時に当連載もリニューアル。タイトルも『社会貢献を買う人たち』から『社会貢献でメシを食う。NEXT』となった。いま思えば、当連載が始まった2009年は、日本の社会はようやく「ソーシャル消費」というものが顕在化しつつあったが、「社会貢献でメシを食う」なんてことは、ほとんど絵空事だと思われていた。むしろ、「社会貢献は自己犠牲。それでメシを食おうなど、とんでもない」という意見がまだまだ多かったはずだ。

 それから約4年半、時代は確実に変わった。社会貢献でメシを食いたい若者が増え、会社を辞めて社会貢献でメシを食おうとする中年オヤジも増え、実際に食える人も増えてきた。もはや日本社会は、「社会貢献でメシが食えればすごい」という時代は終わり、「ソーシャルビジネスでどこまで大きく成長できるか」が問われる時代に突入したと言えるだろう。その意味で、当連載の新タイトルには「NEXT」を付けた。社会貢献シーンも新しい時代に入ってきたということだ。

新時代にふさわしい「新種」
スーパー女子高生

 いつも言っていることだが、新しい時代には時代を象徴する「新種」が登場する。これまでも、社会貢献するミスキャンパスやギャル男などの新種を紹介してきたが、今回、リニューアルにあたって紹介するのは新種の女子高生、いわば「スーパー女子高生」である。

 ここ数年、大学生の社会貢献志向が高まるばかりだと伝えてきたが、実は高校生の熱気のほうがすごいという情報も得ていた。しかし、正直に言ってこの連載で紹介するに値するほどの、すごい高校生たちには出会えてなかった。それがとうとう出会えた。「第1回女子高校生未来会議 『女子高校生100人×女性ロールモデル』」でのことである。

 これは、昨年12月26日に衆議院第一議員会館多目的ホールにて開催されたイベントで、女性が活躍する社会をめざすために、女子高生が集まり議論するという企画。主催は一般社団法人リビジョンという団体だが、実行委員会のメンバーは10名の女子高生である。

 イベントのタイトル通り、女子高校生100人がロールモデルとなる女性たちと議論し、グループに分かれてさまざまな分野での「Girl'sマニフェスト」を作成するというのがメインテーマ。当日は約150人の女子高生が参加した。

 会の冒頭、総理夫人の安倍昭恵氏が挨拶。そして第1部では「私が歩んできたキャリア」をテーマに、衆議院議員の宮川典子氏、日本コカ・コーラ副社長の後藤由美氏、そして昭和女子大学学長の坂東眞理子氏によるパネル・ディスカッションが行なわれた。さらには、ランチ休憩をはさんでの第2部は「Girl'sマニフェスト策定会議」と題して、参加した女子高生が10グループに分かれて、さまざまな社会問題を議論し、最後には解決策を発表した。また、議員会館という場所柄から、逢沢一郎衆議院議員ら国会議員たちも駆けつけて、随時、スピーチを行なうこともあった。

 第2部の策定会議で議論されたテーマは、「女性の発信・メディア」「世界の女性の権利(教育)」「女性と子育て」「女性と国会」など。約2時間の議論で、グループごとに独自の解決策を考え、マニフェストとして発表した。

12月26日に衆議院第一議員会館多目的ホールにて開催された「第1回女子高校生未来会議」の様子。約150人の女子高生に加え、総理夫人の安倍昭恵氏をはじめとする、さまざまな分野で活躍するビジネスウーマンたちが駆けつけた Photo(C):一般社団法人リビジョン

 それぞれのグループには「ロールモデル」として、品川女子学院の漆紫穂子校長や少子化ジャーナリストの白川桃子氏、NPO法人ブリッジフォースマイルの林恵子理事長、コカ・コーライーストジャパン常務執行役員の尾関春子氏など、さまざまな分野で活躍する女性が参加し、女子高生たちの議論にアドバイスを与えた。