最近の若者は社会貢献に関心が高い。ここ数年、さまざまなところでそうアナウンスされてきたし、僕自身もセミナーやメディアの取材など、ことあるごとにそう伝えてきた。実際、僕の周りには社会貢献意識の高い学生が多い。社会貢献をテーマに活動している人間の周りに、そういった学生が集まるのは当然だと思うだろう。

 しかし、某経済学部教授が担当するCSR論の講義は、大教室が満席になるほどの人気だというし、昨年、僕も創価大学経済学部の1年生を対象としたCSRに関する特別セミナーを行なったが、募集定員30名のところ86名の応募があり、急遽教室を変えて実施した。同経済学部の定員は1学年200名なので、約4割の学生が参加してくれたことになる。そんなこんなで、実はイマドキの若者の社会貢献意識は世間で思われているより高いのではないかと感じていたが、それを裏付ける調査データが見つからなかった。

 ちなみに全世代を対象にした社会全体のボランティアや寄付に関する意識や行動の調査は、内閣府が実施している「国民生活選好度調査」など各種データがある。たとえば、以前にも当連載の第67回で紹介したが、デルフィスというトヨタ系のマーケティング会社が行なった「社会貢献消費意識に関する定量調査結果」がある。

 2009年12月から2011年6月にかけて行なった同調査によれば、「エシカル」(倫理的な)という言葉の認知率は11%。「エコ」は98%、「ロハス」81%、「フェアトレード」46%、「サスティナビリティ」24%となっている。また、「エシカル」という言葉を知っていてエシカル消費行動(社会貢献を意識した消費行動)を実践している生活者は5.4%。言葉は知らないが、実際にはエシカル消費をしている人は17.7%。エシカル消費を実践していないが、興味・関心がある人は32.9%となっている。

 また、内閣府の2009年度の調査でも「何か社会のために役に立ちたい」と考える人は69%いて、バブルが始まった1986年の47%から大幅に増えている。

湘南ビーチで実態調査!
イマドキ女子の社会貢献意識は? 

僕たちが先週末2日間にかけて調査を行なった由比ガ浜海水浴場。ビーチには、イマドキの女子が溢れていた Photo:(C)Girls Day Movement

 しかし、若者に特化した調査はあまり見当たらなくて、だったら自分たちで調査してみることにした。調査対象は「夏真っ盛りの湘南ビーチに遊びに来ている、ぱっと見が20代くらいの若い女子」。つまり、湘南ビーチにいる若い女子のなかで、社会貢献女子がどれくらいいるか?という調査である。「社会貢献女子」の定義は、一度でも「ボランティアをしたことある」または「寄付をしたことがある」女子とした。