先週のスポーツメディアは本田圭佑の話題で持ちきりだった。
日本代表の中心的存在である本田が、J1リーグ(名古屋)で4年、オランダ(VVVフェンロ―)で2年半、ロシア(CSKAモスクワ)で3年半のプレーを経て、27歳で欧州4大リーグのひとつ、イタリア・セリエAにたどり着いた。しかも加入したのは今季こそ11位(20クラブ中)と低迷しているものの過去リーグ優勝18回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝7回、FIFAクラブワールドカップも1回制覇しており、多くの世界的スターが在籍した名門ACミラン。加えて年俸約7億7000万円(3年で約27億円)とエースナンバー10番が与えられるという破格の待遇だった。デビューが注目を集めるのも当然である。
スタートも上々だった。13日のデビュー戦は後半20分からの途中出場だったが、ポストを直撃する強烈なシュートを放ったほか、中盤で攻撃を活性化させたことが評価され、イタリア各紙が軒並み高採点。そして16日の2戦目では早くも初ゴールを決めエース級の存在感を示した。もっとも3試合目となる19日のリーグ戦はプレーにやや精彩を欠き、後半で交代。入団直後から連戦が続き、疲れが出ているようだ。
たった3試合では評価は定まらないし、今後は壁にぶつかることもあるだろうが、セリエAの先輩である長友佑都(インテル)同様、名門クラブのレギュラーとして十分やっていけそうだ。
格下が相手のカップ戦でも
ミランのホームスタジアムは満員
ところで本田が初ゴールを決めたのはコッパ・イタリア(イタリア杯)というカップ戦。日本でいえば天皇杯に当たる。この試合は5回戦で、相手のスペツィアはセリエB(日本のJ2)で戦っているクラブ。昨シーズンはその13位だった。セリエAの名門ミランから見れば、はるかに格下のチームである。
驚いたのは、そうした試合でも会場となったミランの本拠地、サンシーロスタジアムは満員の盛り上がりを見せていたことだ。日本ではこうはいかない。