社員の健康診断の結果は
見てはいけないもの?
ほとんどの会社に、「社員の健康診断の結果は見てはいけないもの」という考え方があるようで、従業員に検査させるだけで、「要再検査」という結果が出ているのに、まったく関与していないことがあるのです。
本来なら、会社は、だれがどんな病気にかかっているかをある程度把握しておく必要があるし、従業員の健康に配慮する義務があります。体に異常のある従業員には人事担当者もしくは健康管理担当者が責任をもって産業医に引き継がなければなりません。でも、実際には、本人に書類1枚渡すだけでそれ以上のフォローはしないことが多いのです。そんな状態で働き続ければ、病気をどんどん悪化させてしまうのは目に見えています。
このような会社では、まず、従業員のみなさんに健康管理の意識を高めてもらうことが先決。再検査を受けるよう指示されているのに、「時間がないから」という理由で受けていない人がかなりいました。
カウンセリングをしていると、そうした体に関する相談を受けることがあります。産業医の先生に相談すればいいのにとも思うのですが、本人は検査に行けないことで悩んでいるのです。
「何だか体がヘンなのだけれど、検査に行く時間がない。どうしたらいいでしょう?」
というふうに。でも、体に違和感があるのは危険なサインです。私は、産業医の先生が会社に来る日を伝えて、必ず相談するように言いました。
専門家の私がこう言えば、多くの人は重い腰を上げてくれます。産業医に診てもらい異常が確かめられると、再検査を受けるなり、治療を受けるなりするのですね。
欠勤と体のトラブルのパターン
いくつかある欠勤のパターンのうち、1週間休むのは、体の病気が原因であることが多いものです。日本人というのは、概して頑張り屋さんです。具合が悪くなるまでとことん頑張ってダウンする。動けなくなってから病院に行くのが、昔から日本人に見られるパターンで、1週間の休みのあいだにじつは短期入院していた、なんていうケースもよくあります。