都知事選は、選挙戦の間こそ脱原発の是非がメディアを賑わせましたが、いざ投票になると下馬評どおり舛添氏の圧勝で終わり、もう一件落着という感じになっています。しかし、今回の都知事選は、脱原発よりも深刻な問題を提起したように見受けられます。それは、政治・政策の高齢者支配という現実です。
高齢者の、高齢者による、高齢者のための選挙
都知事選には16人が立候補しました。その平均年齢は約67歳と年金支給開始年齢を上回っていました。かつ、立候補者の年齢分布をみると、
80代 3人
70代 3人
60代 7人
50代 2人
30代 1人
となっています。有力候補と言われた人たちに絞ると、舛添氏、宇都宮氏、田母神氏はみな年金を受給する65歳以上、細川氏に至っては76歳と後期高齢者でした。
立候補する側はこのような状況でしたが、では投票する側はどうだったでしょうか。投票率は46%と過去3番目の低さでしたが、まだ年代別の投票率はわかりません。そこで、ダブル選挙の効果もあって63%という高い投票率であった前回2012年12月の都知事選を見てみると、年代別の投票率は以下のとおりでした。
20代 46.5%
30代 55.0%
40代 63.6%
50代 70.3%
60代 75.4%
70歳以上 67.6%
これに2013年1月時点での東京都の日本人の人口を掛けると、ざっくりと言って、2012年の都知事選では、
若者層(20~30代) 186万人
中年層(40~50代) 233万人
高齢者層(60歳以上) 256万人
が投票に行ったことになり、投票率のみならず実数からも高齢者のプレゼンスが大きかったことが分かります。