それは相手が外国人だから強い主張が出来るということではなく、日本人選手との間であっても十分に可能である、という認識に変わってきたのではないかと思います。中田選手の時代とは個と集団の関係がすでに別のものになっているのです。

 日本の一般的な会社組織は仲間意識が強く、みんなで助け合うというカルチャーが根強くあります。それには優れた側面もあるのですが、自己主張をすることなく、摩擦を極少化し、みんなができるレベルに全体を合わせ、それ以上に突き抜けないという弊害があります。その中で突出しようとする個人は、往々にして排除され孤立してしまいます。

 では、どうすれば日本の会社組織もサッカー日本代表が進歩したように、個を活かし、全体としてより高いレベルに突き抜けることができるようになるのでしょうか。『「一体感」が会社を潰す』の問題意識はこの点にあります。

(文・構成/宮内健)


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戦後、日本企業は「一体感」を武器に成長してきた。しかし、それこそがバブル崩壊ののち、人と組織を停滞させた元凶だった!30社以上に助言してきた組織コンサルタントの秋山進さんが社会経済の変化とキャリアパスに潜む問題からこの重篤な病気を喝破。大人の仕事場であるはずの会社が、なぜ子どもの仲良しグループのように馴れ合い、一流の人材を排除しはじめるのか。幼稚な組織と心中しないために必読の一冊です。