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オープンデータの実像

【新連載】
開かれた政府、イノベーションを創出する
オープンデータへの大きな期待

澤内真人 [日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 シニアマネジャー]
【第1回】 2014年3月4日
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(2)公開可能な情報をオープンデータとして
  積極的に市民に広く開放

 ニューヨーク市では、市が保有する情報を積極的に広く市民・一般に提供しています。その情報は次のようなものです。

・一般開放Wi-Fi接続サービス所在地
・市内公園名称、位置等の一覧
・地下鉄の入口ヵ所、名称情報の一覧
・市内大学(私学を含む)名称、位置等の一覧
・郵便番号区域別の電力消費量
・市内高校のSAT(大学進学適性試験)、結果の一覧(受験者数、科目別点数等)
・ MTA(ニューヨーク市近郊の地下鉄、バス、通勤電車、有料道路等を運営するニューヨーク州の特殊法人)のデータ(時刻表、料金、遅延情報、通行量等)
・ニューヨーク市内の映画撮影に使われた場所の情報
・ニューヨーク市内のレストランの衛生検査情報
・地区別の廃棄物収集量
・学校区別の入学、出席率情報
・市に寄せられた苦情相談内容の情報「311 サービスリクエスト」

 これらの情報は、行政の透明性を加速すると共に、市民参加型の行政をも推進してゆきます。

(3)市民参加型のアイデアコンテストを開催し
  そのアイデアから新規雇用のビジネス創出を推進

 ニューヨーク市の興味深いところは、オープンデータの利活用の促進と新規サービス・産業育成のために、自由な発想とアイデアを生かしたアプリケーション開発を市として推奨している点です。その一例が、懸賞金をつけた「アプリケーションコンテスト」の開催です。

 4回目となった2013年のコンテストでは、広く一般市民から募集し、応募があった54本のアプリケーションの中から7本がノミネートされ、さらにその中から、最優秀作品が1本選出されました。最優秀作品に選ばれたのは、健康をテーマとして その人の食事のニーズに合ったレストランを見つけてくれる「Healthy Out」というアプリでした。

 このように市民参加型のオープンデータの取り組みは、当初の目的である「行政の透明化」だけに止まらず、産業振興など経済浮揚策の1つとして世界中から注目されています。

 次回は、日本国内の動向を紹介していきます。

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澤内真人
[日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 シニアマネジャー]

国内システムインテグレータにて、ネットワークエンジニアとして大手通信キャリアのネットワーク設計・構築、また運用設計を支援。日本オラクル入社後は、データベースプロダクトマーケティング、「Oracle Exadata」の国内ローンチやビジネス開発を行い、2013年から公共・教育・医療分野においてテクノロジー製品に関するビジネス開発を担当。現在に至る。

オープンデータの実像

2013年6月にイギリスで行われたG8サミットで「オープンデータ憲章」が採択された。以来、世界中でオープンデータへの取り組みが活発化している。憲章に謳われた「政府及び企業に対して人々が説明を求める能力強化」、つまり情報の透明性の向上やデータへのアクセスを容易にすることによって、社会はどのように変わっていくだろうか。さらに、行政サービスの向上や新たなビジネスチャンス/イノベーションの創出への期待も高まる。グローバル先進事例を専門家が解説する。

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