カウンター業務だけではない
図書室長の多忙な日常

 Aさんの勤務時間は、午前9時から17時30分である。しかしAさんは毎朝、8時30分には出勤している。他のスタッフも全員、定められた時刻より早めに出勤している。

「まず、閲覧用の机を拭きます。消しゴムのカスの山になっていますから。それから、窓を開けて空気を入れ換え、コピー・照明などの電源をオンにします」

 図書館の開館時間は、通常は9時15分から19時45分までだ。

「この図書室には、私を含めて5人の職員がいます。それぞれ、個人の都合があったり業務内容が異なっていたりしますから、勤務時間はずらしています」

 入り口にはカウンターがある。カウンターには常時1人、職員の誰かがいる。

 図書館職員の姿として、カウンターでの書籍・雑誌の貸出を思い浮かべる方は多いだろう。

 しかし図書館職員の業務は、カウンター業務だけにとどまらない。

「まず、書籍や雑誌の購入ですね。もっとも、この図書室では、何を購入するかについては、図書担当の先生が、他の先生・学生さんたちの意見も聞きながら決めています」

 大学図書館を利用するのは、学生だけではない。教員も職員も利用する。その幅広いニーズを考慮して何を購入するか・何を購入しないかを決定することは、決して容易ではない。

書架には、洋書・和書が区別なく並べられている。必要とされる情報・関連する情報を利用者の目に止まりやすくすることも、図書館司書の重要な役割の一つだ
Photo by Y.M.

「購入した図書・雑誌の受入業務は、図書室のスタッフが行っています。分類して、ラベルを貼って、カバーをかけて、書架に配置するという一連の業務ですね」

 書籍は、どの程度の冊数を取り扱っているのだろうか?

「書籍は、1ヵ月あたり60~100冊程度です。1ヵ月あたりで、約100万円です。ほとんど洋書だから、高いんです」

 雑誌はどうだろうか?

「大学が一括で契約している雑誌の他に、600誌を購読しています。年間で700万円程度です。全部、数学関連の学術雑誌です」

 書籍と雑誌だけで年間約2000万円。思わず、溜息がこぼれてしまう。