もっとも、現行電気料金規制撤廃は、仮に強引に行うにしても、どんなに早くとも2020年頃であろうから、現行ガス料金規制撤廃もその頃になるだろう。

 しかし実際には、料金面での消費者保護への強い要請がなくなる可能性が極めて低いことや、エネルギー間の競争環境が進展する蓋然性が著しく低いことが想定されることから、電力・ガスともに現行料金規制は撤廃されないと予想する。特に料金規制撤廃については、電力・ガスともに、欧州諸国の先例が料金上昇に関する警鐘を鳴らしている。この点に関して、2013年12月2日付け拙稿のP.6で掲げた料金推移グラフを参照されたい(図表1~4)。

 欧州諸国の料金上昇傾向がエネルギー原料価格や公租公課の上昇によるものなのか、電力・ガス事業に係る供給固定費の上昇によるものなのか等々に関する詳細な分析は、まだ行われていない。これらの点を明らかにせずに料金規制撤廃を軽々に叫ぶのは、消費者保護の観点からも危険極まりない。経産省は、早急に欧米諸国の電力・ガス料金推移に関する詳細な分析をすべきである。

 また、当初から自由化されている液化石油ガス販売事業のLPガス料金が、特に地方においてコスト効率化が進まずに高止まりしているのは、競争の欠如が最大の理由だ(財団法人エルピーガス振興センター「エルピーガスの料金と価格」を参照)。

 簡易ガス事業料金規制撤廃にあたっては、液化石油ガス販売事業における料金水準の実態を把握しておく必要がある。液化石油ガス販売事業のコスト構造や競争環境の状況を詳細に分析した上で、現行の簡易ガス事業料金規制を撤廃するかどうか、現行では料金表開示が全く進まない液化石油ガス販売事業について料金表開示の義務付けを決めるべきだ。