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オープンデータの実像

オープンデータで市民が市政に積極的にかかわる千葉市の取り組み

澤内真人 [日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 シニアマネジャー]
【第2回】 2014年3月18日
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 例えば、「市有建築物におけるボーリングデータの情報提供」です。2014年1月から、市が運営するデータ提供サイトにおいて、地層状態など市有建築物の敷地におけるボーリングデータ(柱状図)の情報提供を始めました。新規公共施設建設に携わる開発事業者がこれらのデータを活用することで、ボーリング採掘数の削減につながれば、開発コスト低減といったメリットを享受することができるようになります。

ビッグデータを解析し
生活習慣病予備軍への健康指導を目指す

 第3の課題抑制型事業の例が「けんこうコンシェル(仮)」です。近年、医療・健康は福祉、教育、雇用などと並び、国民の関心も高く、国や自治体にとって財政負担が大きい分野となっています。千葉市では、自治体の保有するビッグデータの解析によって、こうした課題の原因を探り対策を講じることで、財政負担を抑制できないか検討しています。

 「けんこうコンシェル」事業は、国民健康保険加入者を対象にしたサービスで、健康増進による医療費の抑制や健康産業の振興を目的としています。

出典:千葉市情報経営部資料 http://www.ospn.jp/osc2013-fall/pdf/osc2013fall_gov_chiba_city.pdf

 具体的には、健康診断を受けた人々の診断結果(データ)を収集し、そこから生活習慣病予備軍を抽出し、健康指導を行い、希望に応じて自治体や民間が提供する健康サービスを紹介したりします。また、翌年の健康診断結果と比較することで、人々の「どのような行動が、どの数値の改善につながるのか」を検証したいとも考えています。このようなデータを蓄積していくことは、健康になりたい市民と、健康サービスを提供する民間事業者の双方にとって有益ではないでしょうか。

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澤内真人
[日本オラクル 製品戦略事業統括本部 テクノロジービジネス推進本部 シニアマネジャー]

国内システムインテグレータにて、ネットワークエンジニアとして大手通信キャリアのネットワーク設計・構築、また運用設計を支援。日本オラクル入社後は、データベースプロダクトマーケティング、「Oracle Exadata」の国内ローンチやビジネス開発を行い、2013年から公共・教育・医療分野においてテクノロジー製品に関するビジネス開発を担当。現在に至る。

オープンデータの実像

2013年6月にイギリスで行われたG8サミットで「オープンデータ憲章」が採択された。以来、世界中でオープンデータへの取り組みが活発化している。憲章に謳われた「政府及び企業に対して人々が説明を求める能力強化」、つまり情報の透明性の向上やデータへのアクセスを容易にすることによって、社会はどのように変わっていくだろうか。さらに、行政サービスの向上や新たなビジネスチャンス/イノベーションの創出への期待も高まる。グローバル先進事例を専門家が解説する。

「オープンデータの実像」

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