現場と主任技術者の
“馴れ合い”に注意

 このような不動産瑕疵のトラブルを防ぐためには、きちんとした契約書を作り、注文者が建築現場に赴いて建築施工を監視することが重要である。また、業界慣例上、一社が設計・監理・施工を行うことが多いが、設計・監理・施工(設計・監理は建築士が行う)は、本来別々に行う方が互いに確認し、馴れ合いを防ぐ上で大切である。したがって、せめて工事監理者と施工者は別々にする方がよい。

 なお、建設会社は建設業法26条により、工事現場の施工の技術管理をつかさどる主任技術者を置かなければならないことになっている。そのため一応表面的には各工事に技術者が付いた形はとっているが、受注件数の多い会社では、主任技術者1人で7~8ヵ所の現場を掛け持ちするケースもある。そうなると、工事現場にはせいぜい1週間に1度、しかも短時間しか現場の技術監理を行わない例もかなりある。

 そして、私がこれまで手がけてきた事案では、この技術監理者がしばしば下請などと雑談にふけり、全く馴れ合いとしか見られない場合もある。本来の仕事である技術監理、監督をするという緊張感は微塵も感じられないことが多々あった。

 ひどいケースだと、住宅取得者が指摘した不良箇所が完全に修復されたか否か未確認のまま、被覆して隠蔽してしまったりする。馴れ合いがはびこっている工事現場では、主任技術者任せにするのではなく、指摘した不良箇所が完全に修復されたことをしっかりと住宅取得者自身も確認することが重要である。

証拠写真は必ず撮影すること
建築士による瑕疵の確定を

 契約書を作り、主任技術者がきちんと工事現場の監理をしていても、残念ながら瑕疵は発生するものだ。そのときは、どのような対応をすべきであろうか。

 まず、瑕疵が確定するまでは、決して施工業者は入れず、建物の保存をすることが大切である。施工業者が瑕疵の露見を避けるため、補修工事の名を借りて瑕疵を隠してしまうことがあるからである。

 また、瑕疵の個所を写真で撮影しておくことも重要である。瑕疵が隠れて見えないような時には、建物の一部を開口し瑕疵の写真を撮る必要があるが、これは次に述べる一級建築士にやってもらった方がよいであろう。

 次に、一級建築士を探す。知り合いに一級建築士がいない場合は区役所や市役所の建築課や日本建築家協会などで照会してもらうことができる。