先週の総括
先週の日経平均は小幅の続落となった。週初は米国の金融安定化法案や空売り規制などにより、米国発の金融危機が沈静化するのではないかとの楽観論から続伸した。
しかし、上値を買う投資家も不在であり、週末にかけてジリ安となった。結局前週末比0.2%安い1万1893円で引けた。
規模別には、大型株のみ前週末比プラスとなった。マザーズ指数は前週末比4.6%のマイナス、東証2部指数も同0.6%のマイナスであった。業種別には証券、保険、医薬品などが上昇、一方で海運、卸売、繊維が下落した。
今週の予報
証券業界:金融市場混乱の影響を受け業績は停滞しているものの
株価は買いゾーンに突入で
「曇」→「曇」
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証券会社にとって、株式市場の影響を受け易い「株式売買委託手数料」頼みの収益構造から脱却することが悲願であった。そのため、法人企業
取引に経営資源を投入してきた。
東証33業種の証券業種指数の12ヵ月騰落率からTOPIXの12ヵ月騰落率を引いた指数と、東証売買代金の12ヵ月変化率を比較すると、1990年代の相関係数は0.70である。
1に近いほど似たような動きをするため、1990年代は市場の売買代金の影響が強かった。この相関係数は2000年以降は0.58に低下している。
この結果を見ると、収益構造の変化は認められるようだ。ただし、売買代金の影響度は低下したものの、トレーディング部門の好不調により全体収益が大きく振れている(野村ホールディングスの2008年3月期のトレーディング損益は前期比78%も減少)ことを考えると、やはり市場頼みであることは変わりがないようだ。