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【第39回】 2014年4月2日
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ダイヤモンド・オンライン編集部

もはやデジタル・マーケティングではなく、マーケティングのデジタル化が現実――Adobe Summit 2014、現地レポート

 アドビのマーケティング・ソリューションは、2009年にウェブ解析ツールを提供するオムニチュアの買収を皮切りに、ウェブコンテンツ管理のデイ・ソフトウェア、ソーシャルエンゲージメントのコンテキスト・オプショナルなど、個別分野のソリューションの買収によって形成されてきた。13年に買収したネオレーンは、オフラインを含めたクロスチャネルのキャンペーン管理を強みとしたマーケティング自動化のためのツールだ。

 レンチャー氏は、もともとはオムニチュアのエグゼクティブで、買収に伴いアドビに加わった。その後の3年間に矢継ぎ早の買収を重ね、業界屈指の幅広いマーケティング・ソリューションを作り上げてきた。今回のキーノートでは、レンチャー氏に促されて登壇したアドビのシャンタヌ・ナラヤンCEOが、まず最初に「あなたのリーダーシップとテクノロジー戦略に対して感謝する」と述べる一幕もあった。

SAPのビシャール・シッカ氏と話すブラッド・レンチャー氏。右端はアドビのシャンタヌ・ナラヤンCEO

複数のソリューションを
シングル・ビューで提供

 マーケティング・クラウドのアップデートとして、まず紹介されたのは、「コアサービス」として、個別のソリューションが統合され、単一のビューのもとで、ソリューション間での顧客プロファイルやデジタル・アセットを共有するための基盤がリリースされた点だ。

 レンチャー氏は「シングル・プロファイル、共通のルック&フィール。データをサイロから解き放ち、マーケターが、すべてのソリューションをシームレスに活用できるようになった。複数のソリューションの活用で、広告支出が15%以上最適化されたり、サイト管理の時間は3分の2に短縮する」と、コアサービスへの統合がユーザーのビジネスに与える具体的な効果をあげる。

 パッチワーク的に集めたソリューションの統合は終えたとし、その次のステップとしてサミットの場で発表されたのが、ドイツの企業基幹ソフト大手SAPとの提携だ。この発表は、マーケティング・クラウドが扱う情報は、デジタルな世界だけにとどまらない、企業の財務情報や在庫情報、CRMなどリアルなビジネスそのものとどんどん接続していくことを強く印象づけた。

 もともと、マーケティング・クラウドのサイト管理ソリューションである「Adobe Experience Manager」に組み込まれたEC機能は、EC構築ツール大手ハイブリスと提携したもの。SAPによるハイブリスの買収によって、より広い分野での提携に広がったかたちだ。

 2社による広範な提携の象徴となる具体的な製品は、両社のエンジニアが協働を進めていて、SAPのインメモリデータベースHANAの技術によって、リアルタイムのパーソナリゼーションを強化するツールが6月に出てくる見込みだ。

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