ホンダがようやく重い腰を上げた。長きにわたって停滞していたホンダの高級車ブランド「アキュラ」をテコ入れするのだ。
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「1年中365日、アキュラのことだけを本気で考える人を張り付けて、アキュラブランドをゼロから再構築する」──。4月に四輪事業本部長に就任したばかりの野中俊彦・常務執行役員は力を込める。今回の体制変更で、アキュラ部門をホンダから完全に独立させる。まずは、日本、米国、中国の3地域にアキュラの専任組織を設置する意向だ。
この動きに先行して、4月から、主戦場の米国法人では、セールス組織をホンダとアキュラの二つのブランドに分割した。営業・マーケティング機能に限った話だが、すでにアキュラ部門の独立への布石を打っていたのである。
ホンダでは、これまで生産や購買、販売などの各プロセスで、各担当者がホンダブランド車とアキュラを兼務していた。そのため、「ともすれば、ホンダブランドの機種で余った経営資源をアキュラに回す」(野中常務)ことがまかり通っていた。アキュラ部門を独立させることで、経営資源を別々に配分する。
アキュラのビジネスを再構築する方針に従い、役員の体制も変更する予定だ。アキュラ事業と燃料電池車事業を兼務して、“二足のわらじ”を履いていた福尾幸一・専務執行役員はアキュラに専念。新たに、三部俊宏執行役員が燃料電池車事業を引き継ぐ。