欧州「ハイブランド」ナイトの饗宴

「セブンノート」イベントで展示された、「マセラッティ・グランツーリスモ」 Photo by Kenji Momota

「表参道ヒルズ」にほど近い、閑静な住宅地。

 こじんまりとしたイベントスペースに、「マセラティ・クワトロポルテ」の姿。シャンパンを片手に、会場2階に上がると、フロアにイエロー基調の円形装飾が7つ。それぞれ、2500rpm「E」、3000rpm「G」、3500rpm「B♭」、4000rpm「C」、4500rpm「D」、5000rpm「E」、そして5500rpm「G♭」の表記。これが「セブンノート(7音階)」だ。

「セブンノート」の7音階を視覚化 Photo by Kenji Momota

 開発を担当したのは、世界屈指のハイエンド・ハイファイシステムで知られる英国オーディオメーカー「Bowers&Wilkins」社。

「ロンドンの、アビー・ロード・スタジオで、クワトロポルテの各部に十数ヵ所、エンジンルーム、車内、マフラーなどにセンサーを装着し、同車特有の音源からセブンノートを抽出しました」(同社関係者)。

 今回の東京公演は、ワールドツアーの4箇所目。今年4月24日のドバイを皮切りに、北京、上海、東京、LA、NY、ミラノ、そして7月17日のロンドンへと続く。

 シャンパンはすでに3杯目。場の雰囲気が和んできた20時過ぎ、「セブンノート」が開演した。

 世界的音楽プロデューザー&作曲家の「Howie B」氏が、大型モニターをバックにMacで打ち込み楽曲を操作。さらに、鍵盤でオリジナルアレンジを加え臨場感を演出する。

 公演後、同氏に声をかけてみた。

「エンジョイできた。日本、好きですよ。この企画、丸1年かけて練ってきました。きょうはとても良い出来。満足です」(Howie B氏)

「セブンノート」は日本のマセラティオーナー招待客が主役だ。そのなかには、プレイボーイとして知られる50代半ばの有名芸能人の姿もあった。

 オシャレ、華やか、ワールドワイド、でもちょっとアットホーム。これが、富裕層の購買意識をくすぐる。

「マセラティ」は今年4月、新型「ギブリ」を世界初公開。同車は既存の「クワトロポルテ」(日本国内新車価格1550万円~2125万円)より手頃な価格設定になると予想され、メルセデスEクラス、BMW5シリーズの顧客ゾーンへの切り込みを狙っている。