利益増減要因分析を応用した
タカダ式為替感応度分析

 メディアなどの記事ではときどき「為替感応度」という用語が登場する(日本経済新聞、2014年4月3日付など)。ところが、為替感応度の計算方法を説明した書籍などを、筆者は見たことがない。

 メディアやシンクタンクなどは「オレの述べている結果だけを信じろ」ということなのだろう。これでは、為替感応度はブラック・ボックスだ。

 そこに風穴をあけようというのが、タカダ式為替感応度分析である。このタカダ式為替感応度分析は、拙著『決定版 ほんとうにわかる経営分析』(PHP)に収録されている「利益増減要因分析」を応用する。

 利益増減要因分析はもともと、製品や商品の「数量」が対前期比どれくらい増減したかを基礎にして、次の要因別に分析するものだ。

 利益増減要因分析は、数量ベースだけではない。製品や商品の「1個あたりの価格」が対前期比どれくらい変化したかを基礎にして、価格ベースで分析することもできる。

 数量ベースにしろ価格ベースにしろ、ここまでは凡庸な分析手法だ。

 筆者は、製品や商品に係る「1個あたりの価格」の変化を、「1ドルあたりの円相場」や「1ユーロあたりの円相場」の変化に置き換えて、利益増減要因分析を展開するとどうなるか、を考えた。

 すなわち、例えば1ドル紙幣そのものを「商品」とみなし、これを他の商品と同様に100円前後の値段で売ったり買ったりする場合を考えた。これが、タカダ式為替感応度分析の出発点である。

 いままでの説明を〔図表 3〕にまとめておく。

 利益増減要因分析そのものは、経営分析の世界では古典的名作とされる分析手法である。しかし、過去何十年もの間、利益増減要因分析を、為替感応度分析にまで応用しようと試みた者は誰一人としていなかったことを指摘しておこう。

 筆者が独自に開発した原価計算システム&管理会計システム「公認会計士高田直芳の原価計算&管理会計システムVer.7」では標準搭載している機能である。筆者のウェブサイトでは、「公認会計士高田直芳の原価計算&管理会計システムVer.7」のDEMO版(フリーソフト)を公開している。