「式場の柱が邪魔で、参列者から新郎新婦が見えにくかった」「急な坂の上にあって、おじいちゃんに来てもらうのが大変だった」――。
企業発のパンフレットや情報誌では到底分かり得ない、ユーザー目線の細かなポイントまで解説されているクチコミサイト。家電のカカクコムや化粧品のアットコスメなどを利用する人は数多い。長らく、結婚式場選びで絶大な人気を誇ってきた情報誌・ゼクシィだが、ここ数年はクチコミサイトに牙城を脅かされつつある。
結婚式場のクチコミサイトは、ゼクシィnetなどいくつかあるが、現在、もっとも勢いがあり、サイト訪問者数ナンバーワンになっているのが、ウエディングパークだ。実際に式を挙げた人のクチコミはもちろん、下見をした人や、参列者などからのクチコミも掲載。また、スマホでユーザーたちが撮った写真を掲載する「フォトコミ」も大人気だ。蓄積したクチコミ件数は40万件に上る。もっとも、式場側からすれば、ほんの一瞬の手抜きが世間に公表される、非常にシビアな時代になったと言える。
ウエディングパークのサービス開始は2004年。赤裸々なクチコミに恐れをなした式場業界からは「最初は大変嫌われ、クレームもたくさん頂戴した」(日紫喜誠吾社長)。以来10年、地道にクチコミを増やし続け、今や結婚式場業界では無視できない存在に育った。
同社の収益源は2つ。1つは式場からの掲載料。契約をすれば、最大100枚もの写真を掲載して、いわばパンフレット代わりに使える。もっとも、シビアなクチコミもセットで掲載されるのだが。契約していなければ、式場情報は名前や住所など最低限のもののみとなる。もう1つの収益源はバナー広告だ。王者・ゼクシィには出稿しなくても、ウエディングパークには出稿しているという一流ホテルもあるという。