大学教授も同じだ。大学で教えてみたいと思って、たくさんの大学に書類を送って応募した。しかし最初は審査もしてもらえなかった。学会に発表していないから、論文とは認められないという理由だった。本も書いていたが、一顧だにされなかった。

 最初はそんなものだ。しかし、そこで諦めずにやり続けることが大事。すると、私の場合は「お前、やりたいんだって、だったら講師やってみろよ」と言われた。地方大学の一コマだけだった。15コマで1コースの中の1コマだ。

 しかし、それもチャンスだと思ったから、その1コマのために何週間もかけて準備をした。15人の講師によるオムニバス講義だったのだが、その甲斐あって、ダントツの評価を得た。そうなれば注目される。

 これは何にでも言えることだと思う。

迷ったら直感で道を選び、
選んだら覚悟して委ねるしかない

 次の5段階がエンパワーメントだ。これは企業変革と個人では少し違う。この段階まで来ると支援者が現れるものだ。そうした支援者の中から最適解を見つけて、自らを委ねるということだ。自らを委ねるということは、言い換えれば支援者の誰かに信頼され、任せてもらえる、ということでもある。自分がエンパワーメントされる立場に身を置くのだ。

 信じて委ねることは結構重要だ。もしかすると、一番大切なのがこのステップかもしれない。

 自分の人生が掛かっているので、当然、怖い。怖いと人間、保険を掛けようとする。そうすると、八方美人になって誰にでもいい顔をして、いいところ取りをしようとするものだ。しかし、それをやるとまず失敗する。

 もちろん、よく考えることは必要だけど、「ここだ!」とか「これだ!」とかと直感が叫んだら、それに決める。それで委ねて一歩を踏み出す。委ねた以上はそこで、あるいは彼・彼女で失敗しても「悔いなし」という覚悟を持たないと委ねられない。

 小さなことでもそれは同じだ。たとえばパン焼き職人になりたいと思ったとする。どこで修業をするか。ABCクッキングスクールか、月謝は高いがコルドンブルーか、あるいは辻調理師専門学校か。はたまたカルチャースクールもあるし、どこかのパンン屋さんに見習いに入るとか、独学だってあり得る。

 当然、全部はできないし、二股、三股を掛けると失敗する。やっぱりどれで行くかを決めないといけない。どこがいいかは、予算や期間や自分の性格、相性などもあるから人によって正解は違う。そこはじっくり考えて、後は直感に従うしかない。

 いろいろな話が舞い込んできたときに、どの話に乗るか。どの人に乗るか。正直、私も死ぬほど悩んだ。それでも結局は選んだ。多摩大学を選び、リクルートを選び、その後もさまざまに選択をしてきた。