政府の「選択する未来」委員会には、「成長・発展」「人の活躍」「地域の未来」という3つのワーキンググループが置かれ、それぞれ活発な議論を行っているが(メンバーも、これまでの政府の審議会等に比べれば多彩)、2014年4月15日に開かれた第2回人の活躍ワーキンググループで一橋大学の小塩隆士先生が数字・ファクト・ロジックに基づいたユニークな主張を展開されていたので、ここに紹介してみたい。
女性の就業率が上昇すると、出生率が高まる
まず、次のグラフを見てほしい。
◆女性の就業率と出生率(2009年)
これは、2009年のOECD諸国の女性の就業率と出生率の相関関係を見たものであるが、これを見る限り、確かにプラスの相関が確認される。次に時系列で就業率と出生率の関係を見ると(OECD20ヵ国平均)、
◆女性の就業率と出生率の関係(時系列)
「女性が社会進出すると出生率が落ちる」というこれまでの社会常識が覆り、就業率も出生率もともに上昇するという形に変化していることが分かる。日本でも、世界の趨勢からは少し遅れているが、世界と同じ方向へと状況が変化してきている(下図)。
◆日本でも、状況が変化している