前週の当コラムで、2050年に向けた「日本の3つの未来」について述べたが、「2050年への構想」最終報告書は、実は、その先2100年までのシミュレーションもいくつか行っている。今回はそれを紹介してみたい。
国民負担率は成長シナリオでも下がらず、
GNIシェアはピーク時の10分の1に
2050年に、わが国が無事に成長シナリオを達成した場合、国民負担率(国民所得に占める税と社会保障負担の割合)は約55%になると推測されている(この時点での消費税率は25%)。停滞(基準)シナリオでは、59%になるが、いずれのケースでもこのレベルまで上がると、わが国は下記の通り、世界でもかなり負担率が高いグループに属することになる。
◆国民負担率(停滞シナリオと成長シナリオ)
問題はその先である。次の図を見ると、成長シナリオが続いたとしても、国民負担率は一向に下がらないという結果になる。