「25%の異質」と一緒に育つ経験
柳沢 これが、大学生になると逆転して、男性がリーダーシップをとるようになるんです。だから女性がリーダーシップをとれるようになりたいのなら、女子大に進むほうがいい。ヒラリー・クリントンも、ウェルズリー大学という名門女子大に進み、大学院からイェール大に行きましたしね。
髙橋 なるほど。ただ、異性の目というのはある種、モチベーションを高める役目を果たしますよね。
柳沢 それはあります。ですが、それは異性でなくてもいい。集団のなかに異質のものや違った経験を持つ人間を入れることで、刺激やモチベーションを高めることが可能です。開成が、高校から生徒を受け入れているというのもその理由から。中学時代に共学の学生生活を経験していたり、海外生活を送ってきた子たちを入学させることで、新たな風が入る。僕の経験上、その割合は、25%くらいが一番いいと思っています。
髙橋 なぜですか?
柳沢 25%以下になると、どうしても少数派になって埋没してしまう。だから開成でも毎年1/3程度の生徒を高校で新たに受け入れています。ちなみに、教師も同じく、開成出身者が25%を占めます。このくらいの割合ならヘンに出っ張りもしないし、小さく縮こまることもなく、うまく混じり合う。新しい血を入れながら、常に生まれ変わることができるんです。
髙橋 そういえば、取材した野球部のなかには帰国子女も多かったですね。
柳沢 この学校には、日本国籍ではない生徒がたくさんいます。特に、アジア系の国籍が多いですね。親の職業が経済的に恵まれている子供も多いので、海外駐在など何らかの形で海外生活を経験している生徒も少なくありません。日本国内の進学校というと、なんだかとても均質的な印象があるかもしれませんが、意外に多様な生徒がいるんですよ。
次回の連載は5月28日を予定しています。
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