同じ言葉を使っていても
誤解が生じるケースとは?

 もう1つ「入社前に聞いていた話と違う」という事態が生じる原因があります。それは会社と候補者間で行われるコミュニケーションのズレです。たとえば「新規営業の仕事」と言われ、候補者はテレアポ営業のことだと思っていたら、その会社では飛び込み営業を指していた、というような場合です。

 これはお互いのバックグラウンドの違いによって生じます。同じ言葉を使っていても、その言葉にひもづいている事実が異なると「聞いていた話と違う」となってしまうのです。要はお互いの「語義」がズレているということです。

「語義」のズレを防ぐには、お互いの接触時間を増やしてより多くの情報を仕入れることが必要です。当社ではエグゼクティブ転職の場合、面接のほかに社長との会食や会社見学などの機会を設けることで5時間から10時間くらいの接触時間をつくります。百聞は一見に如かずで、直接職場の様子を見せてもらったり現場の人と会うことも有効です。

「聞いていた話と違う」
そうした結果になりやすいのはこんな人

 候補者の方を見ていると、「聞いていた話とは違う」という結果になりやすい人がいます。それは、具体的な職種や仕事の内容にフォーカスして転職活動を行った人です。

 逆に具体的な仕事の内容にとどまらず、会社の基本的なスタンスや事業の将来性、経営者の人間性などの抽象的な部分をきちんと評価してその会社に好意をもち、「この会社の成長に貢献しよう」という気持ちをもって入社した人は、あまり細かいことで辞めようとは思わずにすみます。