2009年のテクノロジートレンドを占うパネルディスカッションが5月下旬に開催された。Churchill Clubが主催する恒例の会合で、多くの聴衆が集まった。当地の有力ベンチャーキャピタリスト5人が壇上でそれぞれ今年のトレンドについて予測した。

 壇上に座ったのは、Draper Fisher JurvetsonのSteve Jurvetson、Khosla Ventures のVinod Khosla、Hummer Winblad Venture PartnersのAnn Winblad、Sherpalo VenturesのRam Shriram、Accel PartnersのJoe Schoendorfと錚々たるメンバーである。

1. オフラインを知らない世代の台頭

 インターネットに繋がっているのが当然な環境で育った世代が今春カレッジを卒業する。この世代は新聞を読まない。だが、彼らがこれからの斬新なインターネット利用方法を開拓していくだろう。

2. 新型電池の開発への投資が加速

 ベンチャーキャピタル(以下“VC”)によるクリーンテクノロジーへの投資の活発化が続いているが、中でも新型電池に対する投資が大きく増加する見通しである。VCはこの分野で最も注目されるA 123 Systemsに10億ドル(1000億円)もの投資をしている。更に、オバマ政権は新型電池の開発に連邦政府の助成金20億ドル(2000億円)を投じるとしており、この傾向に拍車をかけると予想される。

3. 体系化されていないデータの氾濫

 企業のデータは今後5年間に7.5倍になる。その8割がメール、ビデオ、チャットと言った体系化されていないデータ(Unstructured Data)である。こうしたデータを整理し、体系化する技術を開発した企業が次の時代のITリーダーになるだろう。

4. ワイヤレス・ブロードバンドの更なる成長

コミュニケーションとネットワーキングの分野で、2008年にVCからの投資が増えたのはワイヤレス・ブロードバンドだけであった。オバマ政権が過疎地へのブロードバンド普及に70億ドル(7000億円)の予算をつけており、この傾向は更に加速されるだろう。