ジュピターテレコム社長兼CEO 森泉知行
 今年の春、光ファイバーの敷設競争で激戦が続く西日本地域で、こんな事例があった。

 NTT西日本は、「フレッツ光プレミアム」を拡販するためのキャンペーン用チラシで、新規に加入した人に5000円の商品券、(KDDIなど)他社の固定電話から乗り換えた人または(ソフトバンクなど)他社のADSLから乗り換えた人には1万円分の商品券をプレゼントする。そして、ケーブルテレビからだと、1万5000円の商品券になると謳った。

 なにゆえに、連結売上高が約2兆円規模のNTT西日本が、同じく約2600億円にすぎない弊社を目の敵にするのか(東日本でも同様)。

 だが、こちらは、映像配信など高速ブロードバンドの分野で競合しても、双方にメリットがあれば、全国に42局を有する日本最大のケーブルテレビ統括運営会社としてNTTと手を組むこともありうると考えている。

 数年前より、社内で「デジタルをアナログで売れ」と号令をかけてきた。時には、家の中の電球を交換するなど、競合他社ではマネできない“ベタなサービス”を徹底することで、顧客と信頼関係を築く。

 そこを起点にして、ケーブルテレビに加え、固定電話や携帯電話などの派生需要も取り込む。

 最大の問題は、会社が急激に成長して社員が増え、“大会社化”が進んだことだ。昨年は、効率化の観点から顧客の獲得とアフターサービスを切り離す失敗を犯した。大企業のNTTと戦うのに、こちらが大企業病になっているようでは競争に勝てるはずがない。

(聞き手:『週刊ダイヤモンド』編集部 池冨 仁)