体長10メートルを超えるものもあり、硬骨魚類の中では世界最長級と言われる「リュウグウノツカイ」
写真:『深海魚ってどんな魚』(ブックマン社)より

 秋田県男鹿市、山口県長門市、福岡県北九州市などで見つかったのは「リュウグウノツカイ」。福井県小浜市、山口県萩市、新潟県長岡市などでは「サケガシラ」が発見された。これらは漁獲網にかかっていたケースもあれば、浜辺に打ち揚げられているところを発見された例もある。

 リュウグウノツカイは体長10メートルを超えるものもあり、硬骨魚類の中では目下世界最長級。サケガシラも体長数メートルを超えるものがある。

 その巨大さからグロテスクなイメージが強いが、よく見るとユーモラスなビジュアルで愛苦しくもある未知の生物・深海魚たち。彼らが相次いで発見されたことにより、巷では「深海魚ブーム」が盛り上がっている。

「ダイオウイカ」が火付け役
深海魚の大量発見は何の前兆か?

 そもそも深海魚ブームは、これまでも静かに続いていた。きっかけは、昨年1月、ダイオウイカが遊泳する姿を捉えた世界初の映像が、NHKの番組で放映されたことだ。幻の怪物とされ、生態にも謎の多い巨大生物の姿を映した番組は、大きな反響をもたらした。

 と同時に、深海に住む生物たちがいかに神秘的でミステリアスか、その興味を私たちに伝えるきっかけにもなったと言える。これ以降、深海魚をテーマとしたテレビ番組の特集などが組まれることも多くなった。

 テレビ効果もあり、世間では深海に住む生物に関心を持つ人が増え続けた。5年以上にわたりエサを口にすることのなかった鳥羽水族館の「ダイオウグソクムシ」(最大40~50cm)が話題になり、全国の水族館では、深海魚のぬいぐるみやグッズが好調な売れ行きを見せた。

 深海魚に関するイベントも大好評だ。横浜中華街の「ヨコハマおもしろ水族館」では、春休みのイベントとして、3月に深海ザメの解体ショーや深海生物の試食会を開催。これまでも深海の生物を対象にした催しは行ってきたものの、直近の人気ぶりはこれまでの比ではないという。