政府は、3日の閣議で、2013年度の「子ども・若者白書」を採択したが、この中で「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」が取り上げられている。興味深い内容なので、少し紹介してみたい。

我が国の若者は、
自分自身に満足していない

 まず日本の若者はどのような「自己認識」を持っているのだろうか。主な項目を抜き出してみると、概ね次表の通りである。

(出所:「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」より筆者作成、単位%、以下同様)

 特徴的なことは、まず第一に、自分自身に満足していない若者が圧倒的に多いことである。平均すると他の先進国に比べ30ポイント以上の差がある。同様に、グローバル社会では最も必要な「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」能力も大きく劣後している。またチャレンジ精神(うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む)も、際立って低い。

 次に、「自分についての誇り」についてチェックしてみると、「体力、運動能力」にそれなりの自信を持っている若者の割合がわずか36.3%しかない。社会人の基本は何といっても体力なので、これは由々しきことであると考える。また、一般に若者の特徴の1つは強い正義感にあると言われているが、我が国の若者は57.5%。これに対してアメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンはいずれも軽く90%を超えている(英国も89.9%)。これも大変気になるところではある。さらに「決断力、意志力」も43.3%と欧米先進国の半分程度の水準にとどまっている。

 我が国の若者は、どのような時に充実感を覚えるのだろうか。「仕事に打ち込んでいるとき」も「勉強に打ち込んでいるとき」も先進国の中では最低水準である。唯一「趣味に打ち込んでいるとき」に充実感を覚える割合は87.6%と他の先進国と肩を並べている。ちなみに、ここに抜き出した自己認識に関わる主要11項目の中で、先進7ヵ国中最低でないのはこの項目だけである。もちろん、それぞれのお国柄によって、若者の自己認識のレベル(厳しいか、甘いか)が異なっているかもしれないので、この表を鵜呑みにはできないが、少なくとも決して楽観できる状況にはないことが見てとれよう。