今日から4月。あなたの会社にも、新入社員が続々と入社してきていることだろう。では、数週間後にあなたの職場に配属されてくるかもしれない今年の新入社員には、どんな特徴があるのだろうか。物心のついたころから不景気で、浪費をしない“さとり世代”とも呼ばれる彼らとの上手な付き合い方について、大手就職情報サイト・リクナビの岡崎仁美編集長に2013年卒の就職活動の傾向も踏まえて語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)
2ヵ月遅れの就活で「不安」も
就職環境の「好転」で恩恵も
――今年の新入社員である2013年卒学生の就職環境はどのようなものだったでしょうか?
リクナビ編集長。1971年香川県生まれ、1993年株式会社リクルート入社。以来一貫して人材採用に関する営業および編集企画に従事。「ビーイング」副編集長、「リクナビNEXT」編集長を歴任し2007年より現職。三女の母でもある。
2013年卒の就職活動は、「転機の年」でした。経団連が倫理憲章を改訂し、企業の新卒採用の開始時期を2ヵ月遅れの12月としたことで、彼らは先輩達とは違った新しいスケジュールで進めなければならず、不安も大きかった年でした。
ただ結果的には、求人倍率が前年を上回る1.27倍(ワークス大卒求人倍率調査2013年卒)になり、就職環境の好転で恩恵も受けたと見ています。
また、リクルートキャリアが実施した調査「就職白書2013」で、2013年卒の採用活動をした企業と就職活動をした学生の双方にアンケートを取ったのですが、大学生の進路確定状況は73.4%と前年よりも7.8%も高いという結果になりました。また、入社予定企業への満足度は、大学生で77.2%、大学院生も83.5%とかなりの高水準です。
同じように、企業に「採用の充足度」と採用した「学生の満足度」について尋ねたところ、充足度は62.3%で前年を上回り、満足度は69.2%と新たなスケジュールのなかでも十分な結果が出ています。
――以前より学生の大企業志向が問題視されてきましたが、2013年卒でもその傾向はありますか?
そもそも、必ずしも企業の大小で選んでいるわけではない、という認識です。リクナビ上でエントリーが集まる企業を分析すると、上位に来るのは大企業というよりも、食品メーカーなどの誰もが知っている身近な商品を扱う企業です。また、大企業でも、銀行のように採用人数も多く、全国で採用し、総合職・一般職がある会社は、結果的に志望者も多くなる傾向があります。