仕事をするなら、大部屋とパーテーションで仕切られた個室、どちらがいいですか?それぞれに良さがありますが、最近、「大部屋では仕事ができない」「集中力が失せる」と嘆く若手社員が増えているようです。

 ただ、上司は若手のそんな主張を“ただのわがまま”と言い放っていいのでしょうか?今回は、いくつかの職場で起きた出来事を紹介しながら、大部屋と個室で仕事をすることに対する世代間のギャップをお話ししていきたいと思います。

仕事中、上司に声をかけられるのもイヤ!
1人で仕事をしたい若手社員たち

 食品メーカーに入社して2年目のDさん(24歳)は、未だに大部屋での仕事に慣れません。ワイワイと職場で同僚同士が話している声が周囲から聞こえると、仕事に集中できないのです。

 さらに、

「おい、元気か? 仕事頑張っているか?」

 などと上司から声がかかると、思わず顔をしかめて嫌な顔をしてしまう始末。その態度を見た上司も顔色が変わって、微妙な反応をします。

「頑張っているようだな、ならそれでいい」

 そう声をかけたことがまずかったかのように気を遣いつつ、少々頭にきた態度も露わにします。最近は無礼な部下であっても、頭ごなしに叱れない時代になったので、なんとか堪えているのですが、心の底では「生意気な態度とりやがって…」とはらわたが煮えくり返っています。ただ、こうした“1人好きの部下”があちこちの職場で増えているのは、事実のようです。

 一方のDさんは、悪気こそないものの、大部屋で仕事をし、団体生活を強いられるこの会社を選んだことを深く後悔している様子。友人が就職したIT系企業では、1人1人の社員のスペースがパーテーションで区切られており、自分のペースで仕事が出来るとのこと。

「職場がマンガ喫茶みたいで楽しい」

 と、いう友人の話を聞いて、羨ましい気持ちに駆られています。

 ちなみにDさんは、これまでの人生で団体生活をあまり経験していません。人生の大半(わずか24年間ですが)を、集団行動とは無縁の環境で過ごしてきました。