プライスラインがオープンテーブルを26億ドル(約2600億円)で買収したという。この話題は、プライスラインがますますの拡大戦略を採っていることを感じさせるものだ。

年間売上高6800億円の
巨大ネット旅行代理店

 日本ではあまり知られていないが、プライスラインはアメリカやヨーロッパのオンライン旅行市場ではメジャーな存在だ。飛行機、ホテル、レンタカーの予約をインターネットで行うサイトで、もっとも安い料金のものを提示してくれるのが特徴。ともかくお得なディールを求めている旅行者には人気のサイトである。

 プライスラインは、カヤックやブッキング・ドットコムなどの競合サイトをすでに買収しているが、いずれもそのままのブランドで運営を続けている。あらゆる入口からユーザーを誘い込もうとしているわけだ。オープンテーブルもこれに加わることになる。

 プライスラインの年間の売上は68億ドル(約6800億円)。ブッキングはもともとオランダのサイトだったこともあって、アメリカだけではなくヨーロッパにも利用者が多い。

オープンテーブルは
レストランの登録が伸び悩む

オープンテーブルは日本でもサービスを提供中。東京圏では約1300件のレストランが登録されている

 一方のオープンテーブルは、レストランの予約サイトとして有名だが、最近は新しいレストランを加えることができず伸び悩んでいたという。旅行者はレストランの利用者でもあるので、プライスラインで旅行先への航空券やホテルを予約すれば、地元のレストランの予約も一連の流れでできるようになるのならば便利。マッチングとしてはぴったりだろう。

 オープンテーブルのユーザー数は世界中で毎月1500万人。3万1000件のレストランを抑え、昨年の売上は1億9000万ドルだ。それでもユーザーは主にアメリカに集中しているようで、プライスラインによる買収で、ヨーロッパへの進出の道も得たことになる。

 表から見るとただのレストラン予約サービスだが、オープンテーブルにはそれ以外にもプライスラインにとって魅力的なコンポーネントがいろいろあったようだ。