旅行関連WEBサービスの普及により、現地との直接取引でリーズナブルに自分流の旅を楽しむ――こんな旅のスタイルが根付きつつある。
しかし、日本での実態は異なる。この分野では「CouchSurfing」や「Airbnb」といった世界的な広がりを見せるサービスがあるが、日本人の利用率は低いのが実情。ネックになっているのはズバリ「英語」、言葉の壁だ。
こういったサイトでは、やりとりは原則として英語。依頼も相談も管理者への問い合わせも英語。となると、二の足を踏むユーザーも多くなってくる。
「日本語でやりとりできればいいのに…」
こんな声を背景に登場したのが、「Traveloco(トラベロコ)」だ。旅のサポートをする海外在住日本人を探すマッチングサイトで、運営も日本人。すべて日本語でOKだ。
ニューヨーク、ロンドン、パリなどの主要観光地をはじめ、世界40都市の現地ガイドが登録しており、得意分野を活かして個人旅行のサポートを行っている。「ロコ」の愛称で呼ばれる彼らの職業は、駐在員、情報誌記者、通訳、日本語講師、コンサルタントなどさまざまだが、いずれも現地に暮らす日本人である。
旅行希望者はアカウントを取得すれば、現地のロコにメッセージを送り、無料で旅の相談をすることができる。
ロコは、マイページに性別、職業、使用可能言語、得意分野などの基本情報だけでなく、趣味や好きな本、映画といった情報も掲載しており、人柄や趣味、志向がわかるようになっている。個人間のマッチングサービスは能力だけでなく、パーソナリティも重要な判断材料だ。
迷った場合は、該当エリアのロコ全員にメッセージを送ることも可能だ。その反応を見て、自分の希望に合いそうな相手を選べば良い。
スカイプを使った個別相談、旅行プラン作成や現地でのガイド、申し込み代行などを依頼する場合は、有料サービスとなる。料金は依頼者とロコとの直接交渉になるが、これまでの例を見ると、スカイプ相談1時間1000円、現地でのガイド1時間1500円~4500円と、大手のサービスに比べ割安になっている。