第2についていえば、赴任先の国、あるいはパートナー企業との間のコミュニケーションはある程度の経験値で対処できるでしょうか、国が変われば、また相手が変われば、一から積み上げていかなければならないケースが散見されます。

 もちろん企業によって差はありますが、一般的に、外資系で働くのと日系企業の海外赴任で働くのとでは大きな違いがあります。

 日本企業には、共同体的・年功的、低流動性、賃金格差が小さいといった、きわめて特殊な制度やシステムがあります。日本企業に属しているということは、それが海外であれ、そうした日本企業独自の仕組みの制約の中でビジネスを進めることになりますし、またそれを受け入れることのできる外国人社員としか働いていないことを意味します。特殊な制度・システムを維持する組織で働いているうちは、有能な外国人社員を採用して経営層に育成していく経験や、日本が中心でない全体最適な視点や仕組みを学ぶことは、不可能に近いといえるでしょう。

 とはいえ、外資系が日本企業より優れているとはまったく思っていません。私が外資系に20年以上勤務して培った視点や考え方は、日本企業で20年勤務した方々とのそれとは異なります。それは日本企業の変革に活かせるはずなので、周囲にも利用してほしいのです。

グローバルで戦う日本人に足りないもの

 グローバルな環境で働く日本人に、一番不足していると感じていことは、日本人としての「自覚」、具体的には、日本についての知識と愛情です。

 グローバルな環境で働く日本人は、いやおうなしに「日本(人)の代表」という立場になります。そのような立場にありながら、日本の文化・歴史や政治・経済を知らないとか、日本のことが好きではないといった批判的態度を示すことは、グローバルに活躍する世界各国に人々の「常識」とかけ離れたものです。

 グローバルに活躍したいという意思があるならば、逆説的ですが、まず日本についての知識と愛情を深めなくてはなりません。それがないと、ただの「根無し草」になってしまいます。

GAISHIKEI LEADERS エグゼクティブセミナー
第1回「外資系トップから見た、日本・日本企業の再生処方」

■日時 2014年7月9日(水) 19:00開始 (受付開始18:30~)
■場所 東京アメリカンクラブ マンハッタンボールルーム
■会費 1万円 (懇親会での軽食・ドリンク込)
※足立光氏もスピーカーとして登場します。

※足立氏はじめスピーカーのみなさんと歓談の場が用意されています。