ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
経営のためのIT

データ重視経営と企業風土のギャップ(前編)
――「うちでは昔からこうしてきた」は通用しない

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第20回】 2014年6月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
3
nextpage

 そして、これらの3つの柱を下支えしているのが、データ重視の企業風土である(図1)。経営者、ビジネス部門のユーザー、IT部門のすべてが分析の重要性を理解したうえで、それぞれの立場から3つの柱の整備や能力向上に強くコミットしている状態を築くことが重要となる。

 企業風土がデータを活用した経営の土台となると述べたが、それを揺るぎないものにするのは容易なことではない。データ基盤やツール環境を整備することよりも、個々人の能力向上や意識変革を図ることのほうが、時間も労力も大きくかかることは想像に難くない。さらに、組織全体の風土変革となると、その企業に深く根ざしている「常識」や「慣習」を打ち砕く必要があり、一朝一夕になし得ることではない。

データ経営を阻む企業風土とは

 それでは、データ重視の企業風土とはどのような条件を満たした状態をいうのであろうか。ラブマン氏が指摘したように経営者がデータによる裏づけを求めなかったり、現場のマネージャーが直感で意思決定を下したりすることが常態化している企業では、データ分析を競争力向上の武器とできるまでの道程は険しいといわざるを得ない。データ精度の向上やツール環境の整備といった技術的な課題よりも、企業風土の変革や経営者を含む従業員の意識改革のほうがはるかに根深い課題といえる。

previous page
3
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


経営のためのIT

日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

「経営のためのIT」

⇒バックナンバー一覧