住まいの購入を考えているなら、ライフスタイルに合った間取りや立地選びだけでなく、「将来の資産価値」という視点も持ちたいもの。一般的には、築年数と共に資産価値(物件価格)は下がるのが相場だが、古くなっても価格が下がりにくい物件があるのも事実である。

 せっかく購入するのなら、築年数が経っても資産価値が下がりにくい物件であることに越したことはない。そこで今回は、住まいの将来価値に大きく影響する「暮らす街としての魅力」をキーワードに、資産価値が落ちにくい街を見極めるヒントを紹介する。

将来価値を見極めるポイント(1)
将来価値が期待できる街の条件とは?

 1950年代以降、都心の街は駅前を中心に商業施設や娯楽施設が次々と開設され、急速に発展してきた。今や人気エリアの常連となっている二子玉川エリアに代表されるように、時間が経過しても資産価値が下がるどころか、上がるケースも少なくない。

 このように5年後、10年後に世代を超えて多くの人が暮らしたいと望む街(将来価値の上昇が期待できるエリア)には、いくつかの共通点がある。

 まず注目したいのが、アクセス面。「交通アクセス」の良さは、街選びに欠かせない要素だ。特に都心のターミナルに直通で接続している路線ほど、資産価値は下がりにくい傾向にある。さらに、「新駅・新線の開業」の予定があれば、将来的に価値が上がる可能性も高い。

 次に、暮らす街としての魅力も重要なポイントだ。商業施設や行政の出張所、医療・福祉、教育施設が質・量ともに拡充している街は、将来にわたって人気が保たれることが多い。

 それだけに、近い将来、暮らし易さが格段にアップすることが容易にイメージできる「都市開発・再開発」の動きがある街は、狙い目の1つといっていい。

 また、「行政サービス」として子育てや福祉支援、防災対策などをチェックする人は多い。こうしたポイントにも目を向けたいところだ。合わせて子育て世代の集まりや、高齢者と地域住民との交流など「地域コミュニティ」が活発化どうかも、「将来にわたって元気な街か否か」を左右する重要なポイントになりそうだ。