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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

メールでの問い合わせは禁止!
世界中の社員の知恵を「社内SNS」で手に入れる

河合起季
【第4回】 2014年7月11日
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世界中から知恵を集める
しくみとしてSNSを採用

 そこで、目をつけたのがソーシャルネットワークだった。

 たしかに、メールでのやりとりはまどろっこしいことが多い。同社の場合だと、たとえばメンバーのA氏が、ある件について詳しい人物を探すために、心当たりのありそうなB氏にメールで問い合わせる。するとB氏は、C氏とD氏、E氏をピックアップして返信。それを受けたA氏が紹介してもらった3氏にメールを出し、そこからさらに紹介を受けて…、という具合だ。こうなると適任者にたどり着くまでに、多くの時間と労力が費やされることになってしまう。

 さらにメールは、数が多くて見逃してしまうおそれや、いちいち宛先や文面を整えなければならないスピード感のなさなどもあり、グローバルな組織の中で幅広いリサーチを行うには適さない。それだったら、SNSで全メンバーに一度に聞いてしまおう、というのがソーシャルメディアを導入した理由だ。およそ3年前からメールでの問い合わせをすべて禁止し、世界各地に点在するメンバーの知恵を集めるしくみとして活用し始めた。

社内SNSは
スマホでの活用が前提

 同社がSNSのアプリケーションとして選んだのは、セールスフォースの「チャター(Chatter)」だ。これを使えば、世界中に散らばるメンバーとスピーディにコミュニケーションをとり、情報の共有化や協力を得ることが可能になる。もちろん、すべてのPCやモバイルデバイスに対応している。

 効率的になっただけでなく、日々の業務の中で生まれた知識やノウハウが自然と蓄積されていくため、メールでは埋もれてしまいがちな情報が可視化されるようになったともいう。

 「メールは膨大な数になりますから、2ヵ月くらいでメールサーバーの容量オーバーになって、どこか別のところに保存しなければなりませんが、チャターはそんな必要はありません。検索機能も付いているため、最初までさかのぼって情報を調べることもできます。たとえば、過去に自分が知りたいことと同じような問い合わせがあれば、それに対するコメントやファイルを参考にすることができるわけです」

 以前は、煩雑で面倒な作業だったやりとりが、SNSのおかげでグループの“知恵の宝庫”となっているようだ。

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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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