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外資系リーダーが日本を変える

日本企業のグローバル化に必要な
7つの最優先事項〈1〉

留目真伸・NECレノボ・ジャパングループ コンシューマ事業統括

GAISHIKEI LEADERS
【第2回】 2014年7月11日
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グローバル化の最初のステップ
経営陣の多様化・多国籍化

 それではグローバル化の最初のステップとしての経営陣の多様化・多国籍化をどのように実現していけばよいでしょうか。それならばと意気込んで、受け入れ体制が無いまま外国人のトップを招聘しても成功するわけがありません。

2014年5月、シドニーでアジアパシフィック地域のメンバーと日本のベスト・プラクティス(強み)を共有した(中央右側が筆者)

 そこで、まずはグローバル企業でのマネジメント経験のある経営者人材を(できれば複数)招聘し、多国籍ではなくとも、経営陣の議論そのものに「経験値の多様化」をもたらすことをお勧めしたいと思います。

 次なるステップは、グローバル化のゴール設定と変革プロセスについての議論です。変革プロセスの中で、さらなる多様性の実現が必須となりますので、経営陣の多国籍化もいずれ進めざるをえなくなるでしょう。

 以上について、最後に私のケースで説明しましょう。

 NECパーソナルコンピュータは、NECとレノボとの合弁事業という外的要因から経営のグローバル化が迫られた事例ですが、その成功は、外資系出身者とNEC出身のメンバーで新たな経営体制を組んで日夜議論を重ねたことに尽きます。この「混成」経営陣は、日本市場の特性、そこでのNECの強み、現場でのオペレーション、社員のモチベーション、パートナーとの関係、そしてレノボのグローバル規模のオペレーションと強みについて、一つ一つ丁寧に理解と洞察を深め、将来像(あるべき姿)とそれに至る適切なプロセスを描ききることができました。

 この段階で外国籍の役員が多く乗り込み、主導権を握って議論しても、うまくいかなかったと思います。市場と社員の「現場」感とNECの強みの本質の理解が追い付かず、適切なグローカルなオペレーションを見通すことができなくなってしまうからです。繰り返しますが、NECレノボの成功は、外資系企業でマネジメント経験を積んだ経営者人材と旧経営陣が「混成」チームを作り、変革プロセスを策定したことにありました。

 NECレノボの例は、グローバル化の最初のステップとして、多くの日本企業で有効であると考えます。その先に続く大きく激しい変革のプロセスと比べたら、外資経験のある経営者人材を経営陣に置くことくらいは簡単でしょう。実際にグローバル化の比較的進んでいる日本企業のほとんどは、すでに何らかの形で経営陣に多様性を取り込んでいます。現経営陣の意志次第で、すぐに決断してできることですし、これくらいはできなければなりません。

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外資系リーダーが日本を変える

真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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