長期的にウナギ資源を守るためには消費者・流通にも責任がある
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 レッドリストに登録されたことは、今後大きな意味を持つ。登録自体には法的拘束力はないが、IUCNは米政府と共同でワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の策定を行う団体である。今回の決定を受けて、16年に南アフリカ共和国で開催されるワシントン条約の会議で規制対象とされる可能性が高まった。すでにヨーロッパウナギは規制対象である。規制対象になると輸出国の許可証がなければ輸入ができなくなるが、国内の取引は規制対象外。国や養殖業者、流通・外食業界からは規制を懸念する声が大きいが、流通形態が不明瞭なウナギが安値で出回るのを食い止めるのには実は規制対象になるのは悪い話ではない。

 「ウナギ資源の減少は消費拡大による乱獲と、河川と沿岸の環境の変化などの原因が考えられる。漁獲量が減っていることは昔から明らかになっていたにもかかわらず、資源量に対するモニタリングや資源保護のための手が何ら打たれてこなかったことが何よりの問題」とIUCNの評価に参加した海部健三・中央大学助教は指摘する。

 現在、養鰻業界では東南アジアの新種ビカーラ種が注目されているが、業界関係者は「ニホンウナギ、ヨーロッパウナギ以上に資源状態が分からないものに活路を見いだすのはおかしい。日本輸出を当て込んだアジア諸国が乱獲をしており、規制がなければ取り尽くされる」と言う。

 世界のウナギの7割は日本人が消費しているといわれる。日本にかかる責任も影響も大きい。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)