こうした見ごたえある決勝戦が実現したのは両チームの選手の高い技術とすばらしい敢闘精神があったからだ。とくに拍手を送りたいのはアルゼンチン。メッシは本来のキレ味がなく得点も決められなかったが、要所で存在感を示したし、他の選手も疲れを感じさせないプレーを続けた。今大会は主役になるはずのネイマールがアクシデントで姿を消し、そのブラジルが準決勝でドイツに1-7という大敗をするといった信じられないシーンもあり荒れた印象が生まれかけていたが、決勝戦がそうしたマイナスイメージをすべて消してくれた感じだ。

大会後の夏は移籍市場が活発化
今大会で株を上げたのは誰か

 ところで、W杯が終わるとサッカー界の移籍市場が活発化する。選手はそれぞれの国の代表として勝利のためにプレーするわけだが、ここでのパフォーマンスはその選手の価値を上げたり下げたりすることにもなる。いいプレーを見せた選手には世界各国のクラブが目をつけ、獲得に乗り出すわけだ。もちろん、ネイマールやメッシ、クリスティアーノ・ロナウドなどのスター、ベスト4に進出した4ヵ国の主力選手などはすでにビッグクラブに高待遇で所属しているから別だが、それほどの評価を得ていない選手が活躍した場合は、億単位(ときには10億円単位)の移籍金を所属クラブに払い、本人にも高額の年俸を提示して獲得に乗り出すクラブが現れる。W杯の舞台でプレーすることは、選手の人生を一気に成功に導くチャンスでもあるのだ。W杯が「サッカー選手のショーケース」と言われる所以である。

 なかでも価値が急騰したのは出場5試合すべてでゴールを決め、6得点で大会得点王に輝いたハメス・ロドリゲスだ。日本代表と同じグループCに入ったコロンビアのエースストライカーである。現在23歳のロドリゲスはすでに欧州サッカー界でもその実力は認められており、昨年夏には4500万ユーロ(約62億円)の移籍金でポルトガルのFCポルトからフランスのASモナコへ移籍した。その移籍金が今大会の活躍で7500万ユーロ(約103億円)に跳ね上がったといわれる。W杯の6ゴールはこれほど選手の価値を上げる力を持っているのだ。スペインのレアル・マドリードが獲得を狙っているという話もあり、今後は移籍金額に注目が集まりそうだ。