「結果をすぐに求めない」ほうが、
大きな成果が出る
「結果が出ない2~3ヵ月」をどのように理解しているかで、その後の結果が大きく変わります。「自分には地力がない」と考えるのか、「結果は後からしり上がりに出るから大丈夫」と考えるのか。
勉強をしているのに「結果が出ない」としたら、最大の原因は「勉強法」が間違っているわけでも、「能力が足りない」からでもありません。
「結果が出る前に、あきらめてしまっている」からです。
1ヵ月勉強しても結果が出なければ、2ヵ月勉強してみる。
2ヵ月勉強しても結果が出なければ、3ヵ月勉強してみる。
3ヵ月勉強しても結果が出なければ、4ヵ月勉強してみる。
4ヵ月勉強しても結果が出ないので………もう勉強をやめてしまう。
でも……、あと1ヵ月だけ頑張れば……、来月になれば……、もしくは来年になれば……、急激に成績が伸びたかもしれません。
そのことが、あらかじめわかっていれば、もう1日、もう1ヵ月、頑張れたと思います。「伸び悩みの壁」を乗り越えることができたはずなのです。
高校時代の私は、最初から成績がよかったわけではありません。
模擬試験の判定は、ずっと、B判定、C判定、D判定を行ったり来たり。「A判定(合格確実)」をもらったことは、わずか、1~2度だったと思います。
それでも東大受験をあきらめなかったのは、「中学受験」の経験があったからです。
私が明治学園中学に合格できたのは、あきらめずに、小さな一歩を踏み出し続けた結果、少しずつ力をつけることができたからです。
そうして、「受験直前」になって、ようやく、合格に必要な学力が身に付いたという経験が、東大受験をあきらめないことにつながりました。
周りの人々にも、助けられました。高3になると、「定期テスト」の結果まで、ふるわなくなったことがあります。それまでは、常に10番以内(東大・現役合格圏内)をキープしていたのに、順位が下がってしまったのです。
「やっぱり、最後は、地頭のいいヤツには、かなわないのかな…」と自信をなくしかけたとき、担任の先生から「白川クン、順位が落ちたといっても、十分にいい成績だよ」と慰められたことで、がんばり続ける気力がわいてきました。
司法試験の勉強に嫌気がささなかったのも、「結果をすぐに求めなかったから」です。
本試験前に「急激に模擬試験の結果がよくなった」のは、それ以前の「結果が出ない時期」をあらかじめ予想し、くじけずにやり続け、勉強方法を改良しながら、乗り越えてきたからです。
「もうダメかもしれない」と思ったら、上昇カーブはすぐそこ。もう一歩先、もう半歩先に、「大きな結果が待っている」と、あせる感情をコントロールできていたからなのです。