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アップルとIBMの“強者連合”は
企業向けIT市場の大再編を引き起こすか

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第55回】 2014年7月23日
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両社だけが提供できる
イノベーションとは

 サービスの大半はIBMから提供される形だが、とりわけ1つ目のIBM MobileFirst for iOSに向けては、両社のさまざまなノウハウを結集していくことを強調している。

 これによって、「iPhoneやiPadを使ったビジネス手法ならびに従業員の働き方を変えるアプリケーションが生まれ、企業は新たなレベルの効率性、効果、顧客満足といったものを、従来よりも迅速かつ容易に獲得できるようになる」としている。

 両社の提携について、アップルのティム・クックCEOは、「iPhone およびiPadは世界で最も優れたモバイル端末であり、Fortune 500企業の98%以上がビジネスで利用している。

 IBMの優れたビッグデータ分析のノウハウをiOS端末ユーザーに提供することは、アップルにとっても巨大なビジネス市場へのさらなる参入の機会が開かれることになる。同時にこの取り組みは、アップルとIBMだけが提供できるイノベーションである」と語っている。

 また、IBMのバージニア(ジニー)・M・ロメッティCEOも、「IBMはアップルとの提携によって、ビッグデータ分析、クラウド、ソフトウェア、サービスにおけるリーダーシップを一層発揮できるようになる。モバイルによって世界の人々のライフワークを変革したアップルと協業できることを嬉しく思う。両社の提携は、人々の働き方や企業の役割、さらには産業構造の変革をももたらすことになるだろう」との見解を示した。

アップル・IBM連合に
対抗しうる勢力は…

 両社が提携した背景には、企業におけるモバイル利用の加速があるが、影響の大きさはそれだけにとどまらない。両社のCEOも語っているように、モバイルはクラウドやビッグデータ分析といった新たなIT活用法と密接につながっており、企業にとってはビジネスやマネジメントのあり方を大きく変えるものといえる。

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松岡 功
[ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。

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