まつげを探すと、アイコンタクトが取れる!?
話しながら相手の目を見られない、あるいは、話を聞きながら相手の目を見られない、というのもよく聞く悩みの一つ。
相手の目を見られない人は、おもいきって相手の目を見るのをやめましょう。
目を見るのはやめて、代わりにあるものを見ます。
いえ、見るのではなく探します。
それは、まつげです。
アイコンタクトを取りたいときは、相手のまつげを探すのです。
この方法は、私自身、番組でインタビューをしているときに重宝しました。
インタビューを担当していた私は、あるとき、カメラマンから「ゲストの話を聞きながら目線が動く」ことを注意されました。
顔は上を向いているのに、黒目がキョロキョロ動いて落ち着きがなく、「真剣に話を聞いているように見えない」と言われたのです。
「目を動かすな」と言われ、私は悩みました。
人の顔をずっと見続けて、にらんでいるように思われるのも嫌だったからです。
もちろん、相手とのアイコンタクトの取り方を学ぶ研修も受けていました。
そこでは、「左右のまゆ毛とのど仏を結んだトライアングルゾーンを見なさい」と教えられました。
しかし、この方法では焦点が広すぎて、視線がぼんやりしてしまいます。
ぼんやりとした視線を向けていたら、相手は信頼してくれません。
目力が説得力や信頼感に及ぼす影響は、ものすごく大きいのです。
ですから、アイコンタクトを取るときは、もっと力強い視線を投げかけなくてはなりません。
そのためには、どうしても相手の黒目を見る必要があります。どうすればいいのか?
そんなとき、
「目的を持てば、目線を動かさずに何かをジッと見続けることができる」
ということを知りました。
そこで、「相手の黒目を見るのでなく、まつげを探そう」と考えたのです。
まつげを探すという目的があれば、まつげを見続けることができます。
つまり「見る」という行動目的から「探す」という行動目的に変えるわけです。
このような目的行動のすり替えで結果を出すのは心理学の王道です。
まつげを見られている相手は、自分の目を見ているように感じるでしょう。
実際にまつげを探してみると、想像以上の効果がありました。
マスカラで化粧をしている女性と違い、男性のまつげはジッと見ないと見つかりません。相手をグッと見ることになりますから、自然と目力が強くなります。
なかなかアイコンタクトが取れない人は、ぜひ相手のまつげを探してみてください。
驚くほど簡単に、力強いアイコンタクトが取れるはずです。
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次回は、「NHK式+心理学」の集大成となる簡単&最強1分自己紹介、についてお伝えします。
矢野 香(やの・かおり)
スピーチコンサルタント。信頼を勝ち取る「正統派スピーチ」指導の第一人者。
NHKキャスター歴17年。おもにニュース報道番組を担当し、番組視聴率20%超えを記録した実績を持つ。大学院では、心理学の見地から「話をする人の印象形成」を研究し、修士号取得。
現在は、国立大学の教員としてスピーチ研究を続けながら、政治家、経営者、上級管理職、ビジネスパーソン、学生などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授。
相手に与える印象の分析・改善力に定評があり、話し方・表情・動作を総合的に指導。全国から研修・講演依頼があとをたたない。
著書に、ベストセラーとなった『その話し方では軽すぎます!――エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)などがある。
【著者オフィシャルサイト】http://www.authenty.co.jp
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発行年月: 2014年7月
判型/造本:46並製 ISBN:978-4-478-02780-6
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