――総務省出身で中央とつながりがあるから、いろいろ新しいことができるんじゃないの、というような言われ方や評価ありませんか。

 最初はそういう言われ方をしましたが、全然そんなの関係ないです。だって世の中総務省出身の首長はいくらでもいて、ほとんど何もできてないじゃないですか。キーファクターはやっぱりうちの職員ですよ。僕がどれだけ優れていてどれだけやり手でも、職員がいて、そのチームがない限り何もできません。

 あと議会ですよね。議会とちゃんと折り合いをつけていないと、議会に議決権という決定権があるから。議会と良いチームにならないと新しいトライはできない。僕に唯一できることは――どこの首長でもみんな一緒なんですけれど――提案すること。僕には提案権しかないんですよ。決定権は議会にある。だから、その提案に魅力的なものがないとだめだし、あとはどこと組むか、どういうチームにするかっていうことですね。

 僕は一監督にしか過ぎないんです。サッカーで言えば。いかにそのチームにいいメンバーを揃え、しかもどういうコンビネーションを組むかが、僕の役割だと思いますね。

地元に根を張る起業家を集めたい

――これからの樋渡市政のテーマはなんでしょうか。評価の指標は1人当たりの所得を増やすことだとおしゃっていましたが、具体的におやりになっていることは?

 うちは「たけお短観」というのを、日銀短観の発表と同じ日に出していて、2010年の4月から始めてこの7月で18回になります。僕は日銀短観の良いところは、体感的に分かるところだと思うんです。たけお短観も年4回調査しているので、例えば農業部門が弱かったらそこはてこ入れしようと、早めに対策が打てる。今までの政策ってみんな勘に頼っているんですよ。

 (自治体の財政指標である)公債費比率も経常収支比率もあんなものは、全部、結果ですから。人間の体で言うと体温だけを見て、健康状態が良いとか悪いとかって言っているようなものです。だから、血液の流れとか、血圧とかも見なくてはいけない。僕らは「たけお短観」をやることによって、ある程度短期的な流れが見えて対策が打てる。それともう少し中期的な観点では1人当たりの所得を増やしていく。その両輪があるところが、他の自治体とまったく違うんですよ。所得が増えて税収が増えるようになれば、公債費比率も経常収支比率もちゃんと改善されるんだから。