そして、この大型買収に伴って実施するのが、最大2759億円の資金を調達する公募増資だ。ただし、増資によるダイリューション(株式の希薄化)を嫌気されて株価が下落、それに伴い、売り出し価格は1株1401円に決定した。現時点での最大調達額は2641億円と予定を下回っている。

 この点については、株主総会でも「1株当たりの利益が減少し、配当が減るのではないか」との質問が出たが、「買収に伴うのれん代を償却した後でも三百数十億円の利益が加算されるため、1株当たりの利益は安定的に増えていく」との説明がなされた。

 もっとも個人投資家のみならず、「国内外の機関投資家の反応は総じてポジティブ」(外資系証券アナリスト)であり、追加の売り出しもあることから最終的な調達額は予定額に達するとみられる。

相互会社から株式会社に転じた
背景と狙い

 実は、こういった事業会社では普通にある買収や資本政策は、生保では簡単なことではない。というのも、特に大手生保では相互会社という形態を取るからだ。

 相互会社とは生保にのみ認められた形態で、大手生保の中では第一を除き、業界最大手の日本生命保険を筆頭に相互会社形態を取っている。

 この形態は、相互扶助の精神に基づくもので保険契約者が社員となり、剰余金は配当として契約者に還元される(無配当保険はこの限りではない)。つまり、相互会社は契約者のためにのみ存在する組織というわけだ。

 また、相互会社の資本金に相当する基金は銀行などからの借り入れによって賄うもので、返済のための資金を積み立てねばならない仕組みだ。そのため、柔軟な資金調達に難がある。