考える力をつける3つの道具

 このごちゃごちゃした現実、もやもやした解決策、どんよりした将来を解消するための考える力をつけるための道具はたったの3つ。「ブランチ」「クラウド」「アンビシャス・ターゲットツリー」。

◎ブランチは、問題をわかりやすく整理する道具
◎クラウドは、「あちらを立てればこちらが立たず」の板挟みを解消する道具
◎アンビシャス・ターゲットツリーは、障害を予想して、目標を実現する道具

 先ほどのチェックマークが多ければ多いほど、この3つの道具を使って得られることは大きいはずだ。

人が学ぶための唯一の方法

 この3つの道具を開発したのは、イスラエルの物理学者、世界で1000万人が読んだベストセラー小説『ザ・ゴール』の著者、エリヤフ・ゴールドラット博士である。

 1984年に発表した同書の序章の冒頭で、博士は「『ザ・ゴール』は科学の本であるとともに、教育の本である」と自ら記している。

『ザ・ゴール』の主人公アレックスは、メンターであるジョナに、質問を次々に浴びせられる。そして自ら考えて答えを見つけ出し、目覚ましい成果を出していく。このプロセスこそが、学ぶプロセスとして最高の方法だと博士は心から信じていた。

 生前、ゴールドラット博士は次のように語っていた。

「学ぶことの最大の障害は答えを教えることではないか? それは、自分で答えを見つける機会を永久に奪ってしまうからである。
 自分で論理的に考えて、答えを見つけ出すのが、人が学ぶための唯一の方法だと私は信じている。
 人が考えるようになるためには、命令形の『!』マークよりも、疑問形の『?』マークのほうがよっぽどいい」