やりたいことを推し進めて
異物になることを恐れない

 たとえば、自分が新しい爪楊枝を開発したいと思ったとする。これを昔から作っている人たちにはプライドもポリシーもある。でも、僕がどうしても自分の手で新しい爪楊枝を作りたいって言い出したとしたら、それはやっぱり嫌われますよ。自分のやりたいことを推し進めていくっていうのは、特に僕らの業界では「異物」だから。そこで異物になることを恐れないっていうのが大事だと思うんですよ。

『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著、ダイヤモンド社)フロイト、ユングと並び心理学の三大巨頭と呼ばれるアルフレッド・アドラーの思想をわかりやすく解説した書。現在40万部のベストセラー。

 僕は映画を撮ったりするので「文化人気取りか」とか言われることも多いけど、漫才もしないで、クイズ番組の司会者とかキャスターをやってるのだって、それはそれで文化人気取りじゃないの? って思うし。

 僕は『ごっつええ感じ』と『ガキの使い』を観て、「モノを作る」と「おしゃべりをする」っていう2つをやりたくてこの世界に入ってきたんです。

 それで今は、トークライブもやっているし、『アメトーーク!』にも出させてもらって、「モノ作り」のほうは映画を作るということでやっていて。デビュー当時から思い描いていたことを今やれているんですよ。だから、「どこ向かってんの?」とか言われても、「いや、デビュー当時から思い描いてたところに向かってますよ」っていう回答はちゃんと自分の中にありますね。