ただ、昔の自分を思い出すと、嫌われてもしょうがなかったなと思うところも多々あります。調子に乗ってたし、生意気だったし。僕が28歳とかそれぐらいのときって、特に東京に出てきたばかりの大阪の芸人から見たら「東京芸人のイヤなヤツ」の代表みたいな感じだったと思いますよ。
昔はよく後輩に「お前、松本(人志)さんにも同じこと言えんのか」みたいなことを言ってましたね。そりゃ言えないですよ、松本さんのほうがやっていることがデカいんだから。今思うとすごいカッコ悪いんですけど。でも当時の自分のイメージとしては「松本さんと同じ扱いをしてくれよ」って思っていたんです。
僕らの職業ってラクなんですよ。嫌いなヤツには会わなきゃいいんだもん。会社勤めの人はそうはいかないでしょ? 逃げ場がないっていうか。僕らは逃げ場だらけですからね。だから、芸人はちょっと異質ですよ。嫌われてることが笑いになったりもするし。
でも、究極を言っちゃえば、会社でもどこでも、嫌われて死ぬってことはないから。「嫌われ死」なんて死因はない。だから、そこまで気にしなくていいんじゃない? とは思います。