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リークが乱れ飛ぶ新型iPhone情報は
本当のサプライズを隠すための“当て馬”?

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第309回】 2014年8月27日
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 価格は、通信キャリアとの2年間契約付きで、4.7インチ型が199ドル、5.5インチ型が299ドルになるものと見られている。前者は、9月中の発売が見込まれるが、後者の発売は今年終わりか、来年まで延びる可能性もある。

 iPhone6の詳細情報も興味深いが、実は多くの人々が待っているのはアップルが開発中というウェアラブル端末、通称「iWatch」だろう。こちらについては、具体的なリーク情報があまりない。今年に予定されていたリリースが来年にまで持ち込まれるといううわさもあり、否が応でも期待が高まっている。

 同社にいつもイノベーティブな新製品を待ち望む人々のせいで、アップルは今、かなりのプレッシャーを感じているはずだ。

あふれるばかりの「iPhoneリーク情報」は
本当のサプライズを隠すため?

 それにしても、なぜこれほどに情報がリークされているのだろうか。そちらも、新製品と同じくらい興味深い。情報は、iPhoneの製造を請け負ってきた中国のフォックスコン内部から出ている設計図をはじめ、その他写真、コンピュータレンダリング、部品表などさまざまで、アメリカだけでなく、日本、フランス、ロシアなどのサイトを経由して明らかにされている。

 もちろんすべてのいわゆる「リーク情報」が本当のiPhone6を捉えたものとは限らない。けれども、製造現場などでの管理が緩くなったこと、写真が撮りやすくなったこと、リーク情報に法外な報酬を出している輩がいることなどが想像できる。

 また、あくまでも私見だが、アップルがこうしたリークを意図的に許しているという確率もゼロではない。

 その理由は、期待が高まり過ぎてがっかりさせるのを防ぐためもあるだろう。何と言ってもiPhoneは代を重ねるだけの汎用製品になってしまい、もちろん毎回改良はあるものの、大きなイノベーションが組み込めないでいる。

 もう1つ考えられる理由は、別のもっとすごい新製品からファンの目をそらせること。その場合は、発表当日のサプライズをより効果的にするためということになるわけだが、さて、本当のところは何が正解だろうか。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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