中高年は12時前に寝ても成長ホルモンの恩恵なし

 よく「夜の12時前に寝ると睡眠中に成長ホルモンが出て若返る」などと言われますね。中高年でも努力して実行されている方が多くいますが、残念ながらその効果はあまり期待できません。

 血中成長ホルモン濃度の24時間の推移を調べてみますと、健康な18歳~33歳の男性は24時頃、女性は23時過ぎあたりにピークがある。ある調査では、23時頃に寝ているようだから、眠るとすぐに成長ホルモンが出ている感じです。ところが、51歳~72歳を調べてみると(寝る時間は同じく23時です)、血中成長ホルモンのピークの量が若い時の3分の1程度に減っているうえ、23~24時のピークは明らかではなくなっています。

 アンチエイジングの面ではこの年齢の方々は24時前に無理に寝る必要はなさそうです。

睡眠と心筋梗塞の関係

 今回のメディカル・トピックは睡眠障害と心筋梗塞のリスクの関係です。2011年に発表された研究で、平均11.4年の追跡調査がなされています。

「不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害は心筋梗塞のリスクを45%上昇させる。また、睡眠中断(は心筋梗塞のリスクを30%上昇させる」

 動脈硬化予防にはバランスのとれた食事、身体活動、そして睡眠が重要ですね。できるだけ質の高い睡眠を取るよう心がけましょう。
 

筆者紹介/くぼ・あきら》 
医療法人社団湖聖会銀座医院院長補佐/東海大学医学部 抗加齢ドック教授/慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授 。1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、現在は医療法人社団湖聖会銀座医院を始め都内3カ所で診療を行う。人の老化度を測る「健康寿命ドック」「抗加齢ドック」を開発し、その結果に基いたソリューション(運動や栄養指導)を実践。生活習慣病の診療と予防医療・アンチエイジング医学の確立に注力。サプリメントやスポーツ医学の世界最先端の情報と実践を駆使した講演や企業のアドバイザーとしても活動している。