仕事が立て込んでいるときほどきちんと疲れをとりたいのに、実際は当然のように睡眠時間が削られていく――。
こうして疲れが蓄積されていくことを、仕方がない、と諦めてはいないだろうか?もちろん、理想とする睡眠時間には個人差があるし、増やせないものは仕方がない。でも、食習慣次第で少ない睡眠時間でも質の高いものを得られることもある。
「ほぼ徹夜」、「1週間連続2時間睡眠」というように、明らかに睡眠時間が不足しているときを除き、まずは、次の2点を自身の平均的な生活にあてはめて再点検してみてほしい。
①朝、スッキリと目覚められているか
②日中、仕事に支障が出るほど眠くなったりしていないか
これらは、睡眠の質を問うものだ。もし、このふたつに当てはまることが多ければ、まだあなたの生活は改善の余地がある。睡眠に必要な栄養の基礎知識については、以前の記事(「寝ても疲れがとれない、あなたが眠れないその理由とは」)を参考にしていただくとして、今回は、実はよくある間違った対策や遅い時間になってもやっぱり食べてしまう人の問題点について話していきたいと思う。
「遅くなった日はプロテインだけ」
アスリート系ビジネスマンの落とし穴
まずは、たまに見かけるアスリート系ビジネスマンの「遅くなった日はプロテインだけ」生活について。プロテイン(タンパク質)の大切さはこの連載でも何度もお伝えしているし、不足すれば、睡眠に必要なホルモンの分泌が滞ったり、リカバリー能力が落ちたりするのも事実だ。でも、プロテインさえ摂っていればいいのか、という話でもある。
実際、疲れているときほど、体としては栄養バランスの良いものを求め、いつも以上にビタミンやミネラルを欲している。だから、プロテインだけ生活は、必要なものを補ってはいるけれど、頑張っているあなたの体を満たすほどのものではない。さらにいうと、消化をサポートするビタミンやミネラルが充分ではないのにタンパク質だけを過剰に摂ると、大量の尿素ができて、腎臓に負担をかけてしまうというデメリットもある。