夏本番。暑さのせいで寝苦しい毎日が続いています。本来ならたっぷり睡眠をとり、翌日のハイパフォーマンスに備えたいのに、なかなか眠れない。眠れてもなんだか疲れが取れない。そう感じている人もいるのではないでしょうか。実はそんな人たちにはある共通点があったのです。
働き盛りの40~50代が
最も不眠で悩んでいる!
不眠に悩むビジネスパーソンが増えています。
私の元にも「眠れない」「眠りが浅い」という相談は後を絶ちません。そしてそんなビジネスパーソンの口から次に飛び出すのが、
「だから、なんとなく疲れが取れないんですよね」
というセリフです。疲れからV字回復を目指す、つまり疲労の谷から急回復できない大きな理由として睡眠が関与していることが多いのです。
どうして不眠で悩む人がこれほどまでに増えてしまっているのか。日本国民を対象に行われた疫学調査によれば、成人の約20%が不眠を訴え、約15%の人が日中の眠気に悩み、5%以上の人が寝酒あるいは睡眠薬を常用しているとの結果が出ています。平成19年に厚生労働省が行った調査(国民健康・栄養調査結果)でも、国民の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」「何らかの不眠がある」と回答しています。
実はこの不眠症、小児期や青年期に起こることは稀まれで、20~30代から徐々に始まります。その後、中年以降で急激に増加し、40~50代でピークを示します。この背景には、人口の高齢化、ライフスタイルの多様化などが関連していると言われていますが、とりわけビジネスパーソンにとって注目したいのが、生活リズムの乱れやストレスなども原因だと考えられていることです。
仕事の量や責任が増えるにつれて深刻になる不眠の悩みは、もはや“ビジネスパーソン病”と言ってもよさそうなくらいです。